死神の鎌は幻
「失礼致します、政宗様。夕餉を――政宗様?」
 いやに静まり返っていることを訝しみ、片倉が主の了解も得ずに襖を開ければ、床に臥せる主の枕元に座すひょろりとした影と目が合った。何十年も昔に目にした姿と大差のない幽鬼の姿に、血が凍りつくような錯覚を覚える。不安というより、それは恐怖であった。「てめェ!」しかし驚きと反射で己の老体も顧みずつかみかかろうとすれば、影はうっすらと微笑み、四散してしまった。それこそ幻であったかのように。
 そうして結局そこに残ったのはただ、穏やかな顏で息を引き取った隻眼の亡骸ばかりであった。
*収集がつかなかった結果…

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